手紙 by 磯崎菜穂子 (2005/06/13)
「私は今テニスを頑張っています。テニスがすごく楽しいし、大好きです。最近は高校生と打つ機会が多いけど、みんなすごく上手いです。私も上手くなりたいです。ところで、今何をしていますか?テニス続けていますか?出来れば続けていて欲しいです。何をしているかは分からないけど、今やっていることを一生懸命やって下さい。」

 これは中学二年生の私が二十歳の自分宛に書いた手紙の一部です。タイムカプセルのつもりなのか、未来の自分に手紙を書いちゃうなんて…私にも可愛い時期があったんですね。ええ、十四歳の私のご希望通り、二十歳の私はテニスを続けています。
でも正直、中高時代の時みたいにテニスが楽しくて楽しくて仕方ないという感じではありません。練習したくないって思う事はよくあるし、やめたいと思った事さえあります。でも、以前より真剣にテニスをやっているからそういう風に考えるようになったのかなとも思います。良い意味でも悪い意味でも、中高時代の私と今の私とでは、テニスに対する気持ちが変わったのではないかなと思います。
 しかし、変わらないものもあります。それはまず、試合が好きだということです。私は試合中の緊張感がたまらなく好きです。あの緊張感は他では味わえない物だと思います。もう一つ変わらないもの、それはチームに恵まれているということです。言うまでもなく、明学テニス部は最高のチームでした。種村先生が築き上げてきたテニス部で六年間過ごせた事は私の一生の財産です。そして、現在私が所属している英和テニス部も最高のチームです。監督にもチームメイトにも恵まれています。昔も今も、良いチームに恵まれている私は本当に幸せ者です。
 変わったところもあるけれど、昔も今も結局はテニスバカな私。少なくともあと三年間は本気でやります。でももし六年後の自分宛に手紙を書くとしたら、私は二十六歳の自分に対してテニスを続けていて欲しいとは書きません。きっと今やっている事を一生懸命やって下さい、そして学生時代頑張っていた事を忘れないで下さいと書くと思います。